【見えているのは自分だけ?】生き物によって世界の見え方が違う

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今まさに、このコラムをスマートフォンやパソコンを通して読んでくださっていることと思います。

周りを見渡せば、

・通勤の電車の中
・オフィスの中
・自宅

周りにいろいろなものがあり、いろいろな色が見えていることと思います。

 

しかし、見え方というのは、すべての生物が同じように見えているわけではありません。
動物によって、見える世界が違うのです。

 

今日はそんな、見え方の違いについてのお話をしたいと思います。

 

そもそも、 見え方の違いには、
1) モノクロ なのか カラーなのか
2) 解像度はどうか
3) 動体視力はどうか

などといったような違いがあります。
デジタルカメラの性能や、モードの違いなどと同じようなものです。

 

1)の「モノクロなのかカラーなのか」という点についていえば、私たち人の目は、どちらでしょうか。

 

結論から言うと、モノクロ、カラー、どちらの性能を持っています。

 

人もモノクロモードで物をみるときがあります。
あまり意識されることは少ないかもしれませんが、夜などの暗いときがそうです。

暗いときは見えにくいですよね。意識してみていただけると実感できると思いますが、暗いところでは色の判別が難しくなります。
光の量にもよりますが、モノクロモードに近い状態です。

 

暗いところ を見るときは
網膜の中にある「桿体細胞(かんたいさいぼう)」という細胞を使って物を見ています。

「桿体細胞」
『光が少なくても(暗くても)物をみることができるけど、色の判別ができない細胞』

そのため、暗くなったときに物を見るのに役立ちますが、カラフルな世界で物をみることはできないのです。

 

反対に明るいところでは、色も鮮やかに見えます。

明るいところを見るときは、
網膜の中の「錐体細胞(すいたいさいぼう)」を使って物をみています。

 

「錐体細胞」
『光を多く必要とするけど(明るくないと見えないけど)、色を判別することができる細胞』です。

私たちの目の奥「網膜」には、この2ような細胞があり、
明るいところと暗いところを、細胞それぞれの適材適所で物を見ています。

 

また錐体細胞は、視界の中央に多く集まっています。
そのため、視界の隅の方、
例えば、まっすぐ下の★印を見ていただきながら、左右の視界の隅、見えるギリギリの場所にあるものの色が何色あるかを意識してみてください。

★

 

判断した色は正しかったでしょうか。
直接視界の中央で見るときに比べて、視界の端で何色なのかを判別するのは難しくなります。

 

色を判別しにくいのは、視界の隅の方に錐体細胞が少ないからです。

 

このように、使っている細胞によって見え方が異なります。
このような特徴から、昼行性の生物では、色認識ができるものが多く、夜行性の生物ではモノクロで認識しているものが多い可能性が考えられます。

ただし、色が人と同じように見えているとは限りません。
「ミツバチの色認識」でもご紹介しているように、色の認識は生物によって異なる場合があるのです。