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DNA解析技術の犯罪捜査への応用や、
新しい薬の開発による医療技術の進歩など、
日々科学技術は進歩している昨今。

時代が進むことによって、
昔の常識が、今の非常識になることは、たくさんあります。

そんな例の一つとして、変わってきたのが
今回のタイトルである
「毒ヘビに咬まれたら走ってでも病院へ」
という件でしょう。

昔は、
「毒ヘビに咬まれたら、全身に毒が回らないように安静にして、ゆっくりと病院へ行きましょう」
というのが定番でしたが、
2014年に発表された医療グループによる研究報告では、それを覆す、新しい内容で報告されました。

■【2015年7月12日 読売新聞より抜粋】******************************
≪タイトル≫
「マムシにかまれたら走ってでも受診を!」

≪内容(抜粋)≫
(2007年4~10月の調査で得られた受診の経緯がわかった178例のマムシ咬傷事故から)
マムシに咬まれて走って病院へ行った方21人は、咬まれてから病院へ行くまで平均18分かかり、入院期間は平均5.9日だった。
しかし、救急車を待つなど、従来の方法で安静にして病院へ行った方157人は、咬まれてから平均84分で病院へ到着し、入院期間は平均8.4日であった。
調査に関わった聖マリアンナ病院救命救急センターの瀧健治医師は、
「救急車がすぐ来るなら待った方がよいが、時間がかかる場所なら、応急処置の後、走って人里に出て助けを求めるなど、早い受診を試みて」と呼びかける。
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マムシをはじめとする毒ヘビにかまれても、
必ず死んでしまうわけではありません。

しかし、時には死に至ったり、あるいは後遺症を負う可能性もある被害。
基本的には入院ものです。

この調査の中でも、マムシに咬まれた方は入院をしているわけですが、「走ってでもいいから早く病院へ行った方」の方が、入院期間が結果的に短くなったという報告です。

こうした全国規模の調査の結果から、
「毒ヘビに咬まれたら、安静にしてゆっくり行くのではなく、早く病院へ行く方が良い」と考えられるようになりました。

昔の常識は今の非常識。
自然や生物においても、まだまだわからないことはたくさんあります。

ヘビに限らず、適切な応急処置の方法は、
今後も少しずつ変わってくることが考えられます。

常に新しい情報を取り入れ、柔軟にそれを受け入れることはとても大切です。

参考文献

  • 瀧健治, 有吉孝一, 堺淳, 石川浩史, 中嶋一寿, 遠藤容子. 2014. 全国調査によるマムシ咬傷の検討. 日臨救医誌2014, 17:753-760