鳥たちの夫婦愛 | なぜ鳥は一夫一妻制なのか

IMG_2085
我々日本人の世界には、「浮気」や「不倫」という言葉がありますが、生物の世界には、そのような現象があるのでしょうか。

よく、オスは多くのメスとの出会いを求め、メスはより強いオスとの出会いを求めるという話を聞いたことがある方もいらっしゃることと思いますが、これは生物の生存戦略上、たしかにそのようになっているとされるものも多いと思われます。

しかし、鳥の世界は、多くが一夫一妻制。
この写真のカワラバト(ドバト)も、「浮気をしない鳥」と言われています。

 

そもそも、生物の生存戦略において、「一夫多妻制」と「一夫一妻制」、それぞれどのような特徴があるのでしょうか。

 

【一夫多妻制】は、
基本的にオスはメスを守るようにして暮らしますが、子育てには参加しないことが多いです。

オスにとってみれば、他のオスからメスを守ることで、自身の子どもたちの生存率を確保し、より多くの遺伝子を残すことにつながります。

メスにとってみれば、周りのオスに打ち勝つ、強いオスの子供を残すことができるので、より強い子どもを残すことができます。

動物によって異なる点はありますが、双方にしっかり利益がある形のひとつです。

 

一方【一夫一妻制】は、
子育てにより大きなコストがかかる生き物にみられることが多いとされています。

夫婦そろって子育てに取り組み、オスにとってもメスにとっても、自分たちの子どもを確実に残そうとするタイプで、代表的なものが、鳥の仲間です。

 

鳥の場合は、卵を温め、生まれたヒナに餌をやり、外敵から守り、飛ぶ練習をさせ、独り立ちさせる。

卵を温めるときだって、ただ温めればいいわけではなく、「転卵」といって、適度に卵を転がさないと、ヒナは正常に育ちません。

 

鳥の子育ては、親にとって、とてもコストがかかるため、一夫多妻制ではなく、一夫一妻制が基本となっていると考えられています。

ただし、生物の世界に例外はつきもの。
鳥の仲間でも、ヒレアシシギという鳥の仲間では、「一妻多夫」という、変わった配偶関係にあるものもいます。