楽しい気持ちは伝わる〔意伝子〕の話
「遺伝子」のことを、英語ではgene(ジーン)といいます。
遺伝子(ジーン)は、DNAに載った情報のことで、親から子へ、子から孫へと引き継がれ、「その生き物がどういう性質をもつか」という設計図のような存在です。
「父と息子の鼻がそっくり。」
「母の肌が弱いから、娘も肌が弱い。」
そんな「個性」や「体質」を引き継ぐのが、遺伝子(ジーン)です。
一方で、DNAによって親から子に引き継がれる「身体の情報」ではなく、言葉や言動によって「文化」や「思想」などの情報が引き継がれるものを「意伝子」=meme(ミーム)といいます。
言い換えれば、意伝子(ミーム)は、「人から他人へコピー」される文化的な情報です。
「今流行りの映画がとても面白い!」と言われてその映画を見に行ったり、
「戦争の悲惨さ」を後世に伝えたり・・・、
「面白い」「楽しい」といったプラスの情報から、逆のマイナスな情報まで、人から人へ伝わり、それがまた拡散する。意伝子(ミーム)というのは、こうした人の気持ちを動かし、行動を変えさせる情報のことを言います。
目に見えるものではないですが、この意伝子(ミーム)があることで、流行や文化、習慣が生まれるのです。
DNAを介して遺伝子(ジーン)を伝えることは、多くの生物が行っています。
しかし、意伝子(ミーム)を伝えることができる生物は限られます。
私たち人は、意伝子(ミーム)を伝えるには、とても特化した生物です。
思想、文化、歴史…
ヒトという生物だからこそ、こういったことを後世に伝えることができるのでしょうね。