ミツバチのダンスコミュニケーションの原理
今回ご紹介するのは、
ミツバチのコミュニケーション『8の字ダンス』です。
発見したのは、ノーベル医学生理学賞を受賞し、世界に動物行動学を広めた生物学者『カール・フォン・フリッシュ(1886~1982)』。
フリッシュの解明した、この「8の字ダンス」は、ミツバチの言葉として機能しています。
ミツバチは、この言葉を正確に伝えるために、紫外線を見る能力が身についています。
紫外線は雲も抜けて、地表に到達します。
ミツバチは、この紫外線の特徴を利用して、曇っていても太陽の位置を正確に認識し、
それをうまくダンスに活かしています。
「8の字ダンス」とは、その名の通り、「8の字状に踊るダンス」です。
8の字の真ん中を通るときに尻を振って、エサ場の方向と距離を伝達します。
方向を知らせる原理は、巣の真上を太陽の位置と仮定し、
その尻を振るダンスの角度が、
実際の太陽とエサ場の角度差となります。
つまり、この図であれば、太陽の位置を巣の真上、0°の位置と仮定すると、そこから左に60°傾いた方向にエサ場があるという意味をもつダンスになります。
実際のエサ場の関係も、巣の位置から太陽の方向を0°としたとき、左に60°の方向にあるというわけです。
このダンスを正確に踊るために、太陽の位置を正確に把握する必要があります。
ミツバチは、紫外線を見ることで、その太陽の位置がわかるようになっているということですね。