熊鈴(クマ鈴)って効果あるの?クマに対するリスクマネジメント| 危険生物対策の方法

注)↑このクマは剥製です

クマ鈴は、遭遇の可能性を下げるアイテム?

クマの生息地においてクマ鈴を装備することは、よく登山をされる方にとっては一般的な対策の一つかと思います。

このクマ鈴については、「どこまで効果があるの?」とか、「逃げないし効果ないでしょ」という不安な声もよく聞きます。
その不安をもつ気持ち、とてもよくわかります。

結論としては、以前別の投稿でも触れましたが、「ヒトが視認する前に100%クマが逃げるという絶対的なものではない」です。現に、クマ鈴をつけていたとしても、クマに遭遇したり、事故を引き起こした例は報告されています。

しかし、だからといって「効果がない」と決めつけるのも適切ではありません。原則的には、クマの生息地で山内に入るときは、つけた方が良いです。

クマ鈴のポイントとしては、
『「クマに出会わないようにする」ものではなく、「クマに出会いにくいようにする」ものである』ことをおさえていかないとなりません。

危険生物地対策は、複数の対策の合わせ技で

クマに関わらず、こうした危険生物の事故に対しては、「これをすれば絶対に大丈夫」と言う手段はありません

0か100かという理論ではなく、
少しでも確立を下げるために、様々な対策を重ねてリスクを下げることが大切です。

極端な例かもしれませんが、クマ鈴がどんなに効果があったとしても、食べ物のニオイをプンプンさせながらクマに近づけば、クマは食べ物のニオイに惹かれます。

これがクマにとって、「人の脅威<エサの魅力」であった場合、逃げる理由は少なくなります。

そのため、

[誘引する要因]となる
・食べ物のニオイなどに配慮する

[忌避する理由]になる
・人の存在を伝える
・時折声を出す

などの合わせ技を用いることが大切です。

クマ鈴は『クマに存在を伝える』

仮に、比較的逃げにくいクマであったとしても、クマ鈴をつける、あるいは声を出すなどして、こちらの存在が伝わっていれば、至近距離で突然遭遇する事故のリスクを下げる効果が期待できます。

仮にクマが逃げなくても、こちらの存在をあらかじめ伝え、「クマを驚かせない」というのも大切な一要因です。

「クマ鈴をつける=クマは逃げる」
という考えではなく、
「クマ鈴をつける=クマに存在を伝える」
と考え、他の対策を合わせ技を行い、事故リスクを下げるよう、努めてください。

ちなみに、クマ鈴も、その種類は様々です。
音の大き目なもの、小さめのもの、ワンタッチで音を止められるものなど、実にいろいろな種類があります。

危険生物対策は教科書通りにいかない難しさがあります。
しかし、クマ鈴を学ぶところから、既にクマに対するリスクマネジメントが始まっているのです。