ハチの巣が六角形になっている理由
ミツバチをはじめ、家族をつくる真社会性昆虫として知られるアシナガバチやスズメバチの巣には、六角形の巣穴があります。
この巣穴は、大変有名な構造ですね。
今回は、そのハチの巣が『なぜ六角形の構造をしているのか?』についてご紹介したいと思います。
ここに、いろいろな多角形を並べてみました。
左上から、『三角形』、『四角形』、『五角形』、『六角形』・・・
見ての通りです。
ハチの巣は、右下の六角形の構造をしています。
まずここで考えていただきたいのは、
『空間に無駄』です。
スペースに無駄ができているのは
『五角形』です。
上手く組み合わせることができず、デッドスペースができてしまいます。
これと同じように、七角形以上の多角形は、きれいに敷き詰めようとしても、デッドスペースができます。
完全な丸(円)も、同様です。
弱肉強食な自然界の中では、「効率の悪さ」が良く働くことはなかなかありません。
空間を無駄遣いしてしまう「五角形」と「七角形以上」、「円形」はNGです。
残った三角形、四角形、六角形・・・・
この中で、まん丸の幼虫が入って、無駄なスペースが少ないのはどれか。
丸い幼虫を入れたイメージを描いてみると
こうなります。
一番空間に無駄がないのは・・・
『六角形』です。
ハチにとって六角形は、部屋をたくさん並べても、幼虫が中に入っても、一番無駄なスペースができない空間になります。
また、ある点からこの六角形を作ろうとした場合、壁として作る必要があるのは、必ず3方向です。
12時の方向と、4時の方向と、8時の方向の3方向。
この3方向に壁をつくるというのが合わさると、六角形ができあがります。
六角形は、物理的にも強く、また部屋を作るうえで作らないとならない壁の枚数は、最低限となります。
(2方向では部屋が作れず、4方向では四角形。)
ちなみに、丸くした粘土をたくさん並べて、
ぎゅっと、まわりから圧を加えてまとめようとすると、六角形になります。
六角形は、ハチが生きる上で一切無駄のない、物理的にも理想的な形です。