テントウムシの飼い方
飼育を始める前に
世界でも「幸せを呼ぶ虫」として親しまれる昆虫テントウムシ。
今回はそんなテントウムシの飼い方についてご紹介です。
まず、テントウムシに限ったことではありませんが、
生き物を飼育するには、その生き物のことをある程度調べておくことが必要だと、私は考えています。
● 何を食べるのか・・・
● どんな場所で生活しているのか・・・
● どこに隠れるのが好きなのか?
(どんな場所で落ち着くのか?)
もちろん飼育してから得る学びもありますが、
闇雲に飼い始めるのではなく、そういった生き物の特性を、できる範囲で把握することも大切です。
ここでは、そんなテントウムシの飼育の基本について、ご紹介したいと思います。
アブラムシを食べるテントウムシ
まず「テントウムシのエサ」というと「アブラムシ」が有名です。
全てのテントウムシがアブラムシを食べるわけではないのですが、
私たちがなじみの深いテントウムシはアブラムシを食べます。
テントウムシの進化の過程としては、もともとは菌食生とされており、そこから植物を食べるものや肉食性のものが生まれたと考えられています。
うどん粉病の菌を食べるキイロテントウや、ムーアシロホシテントウ
ナス科植物を食べるオオニジュウヤホシテントウなどは、
アブラムシ食性ではありません。
アブラムシを食べるタイプのテントウムシでは、以下の3種類が代表的です。
★ ナミテントウ
Harmonia axyridis |
★ ナナホシテントウ
Coccinella septempunctata |
★ ヒメカメノコテントウ
Propylea japonica |
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これらのテントウムシは身近な公園などの草地などで見つけることができます。
テントウムシを飼育する容器
テントウムシを飼育する場合、一般的な虫かごなどでも十分飼うことはできます。
ただ、テントウムシは上に向かって進む性質「負の走地性」が強く、いくら縦に高い空間を用意しても、みんな上にまとまってしまってスペースの無駄が大きくなるという傾向がみられます。
なので、高さのあるケースよりも、横に広い構造のケースの方が無駄がありません。
隠れるスペースは、あったらあったで良いですが、通常の飼育を行う上では、用意しなくても大丈夫です。
容器の一例としては、シャーレ状のケースは観察しやすく優れています。
・角がなく
・高さが低く
・掃除がしやすい
こうした点がポイントです。
シャーレは、ガラス製もありますが、プラスチックシャーレならわれにくくて良いですね。
理化学用品を扱う、大手のアイデアショップなどでも購入できますし、
多少タイプが違う場合もありますが、ホームセンターでも購入できるところもあります。
このシャーレの上下を逆さまにし、通常の底面をフタとして使います。
下の広い面の上にトイレットペーパーを敷いて飼うと、掃除もしやすく、観察もしやすいです。
水は、プラ板やクリアファイルを2cm四方くらいにカットした物を皿代わりにし、
その上に水を吸い込ませたセルローススポンジやティッシュペーパーをおいておくと、
テントウたちが飲むことができます。
エサであるアブラムシは、この容器に一緒に入れます。
テントウムシは上に向かって進む性質があるので、
フタの裏にテントウムシがいることが多いです。
なので、さっとフタを外しておいてしまえば、底面のトイレットペーパーの交換も容易です。
アブラムシの代用食
アブラムシを与えるとは言っても、アブラムシがそんなに毎日そろうとは限りません。
そんな時は、どんなエサを与えればよいのかも、少しご紹介します。
アブラムシ食性のテントウムシの代用食として使用できるものとしては、
・ハチノコ
・リンゴ
・昆虫ゼリー
・鶏(ブタ)レバー
・イースト
・ハチミツ
などを代用することができます。
ただし、ハチノコを除き、基本的には延命処置としてのエサ程度で、卵を産ませたり、幼虫を成長させたりするのには、やはりアブラムシが適しています。
これらのエサだと、テントウムシにとって栄養状態が十分ではありません。
短期間での飼育や、卵を産ませるつもりのない成虫の飼育であれば、昆虫ゼリーなどでも良いでしょう。
入手することは大変ですが、「ハチノコの粉末:砂糖」を8:2の割合で混ぜたものや、「ハチノコの粉末:イースト:砂糖」を5:3:2くらいで混ぜ合わせたものについては、アブラムシの代用食として有効なエサになります。
ただし、どのテントウムシにも有効なわけではありませんが、ナミテントウであれば十分飼育できます。
産卵もしてくれるし、幼虫も育つし、類題も可能です。
もしもチャレンジする機会があれば、試してみてください。