生き物は頭の中で想像するのか?
私たちヒトは、いろいろなことを頭の中で「想像」します。
未来のことに対して、
「今週末の休みには遊園地にいこう!友達と○○駅で待ち合わせて、楽しい話をしながら。あ、ついたら最初にポップコーン買おう!」
…このように、その時を想像して楽しんだり、
「あの時の旅行は楽しかったなぁ。仲間たちと一緒に昼夜を共にしながら、観光地を回って他愛もない話もしながら…。また行きたいなぁ~」
なんて、昔を思い出して懐かしんだり、
そんなことを思い起こすことができます。
他の生き物は、このように思い起こすことができるのでしょうか。
諸説ありますが、爬虫類以上(鳥類・哺乳類など)では、このような「思い起こす」ことができるとも考えられています。
もちろん、そんなことが実際にできているのかどうかは、その生き物に聞いてみないとわかりません。
そのため、「そのように仮定した方が説明がつく」事例から、そのように推測されています。
私たち人間もそうですが、この「想像」というのは、基本的にそれまでの経験に基づくものです。
「昔の思い出」はもちろんのこと、「これから起こること」を具体的に想像するためには、その状況を知っている、または似たような記憶を材料にして予知的に考えることになります。
つまり、学習と結びつくところが大きいわけなので、基本的には経験が多いほど、その「想像」力は具体化することができると考えられます。
沖縄に生息しているこのヒメハブでは、その経験に基づいた行動をとるとされる事例が観察されています。
彼らはカエルをエサとしているのですが、そのカエルも産卵などのため「毎年この時期にこの水場にくる」という動きがあります。
このカエルの行動に対し、ヒメハブは、カエルが産卵に来る時期を予測し、その水場へいきます。
「その水場のこの場所がとても捕まえやすかった」というようなことを学習し、その時を思い起こして毎年同じ場所に行く、という予測に基づいた行動とも考えることができます。
もちろん、これだけで、必ずしも「思い起こし」があることを肯定できるものではありません。
雨や気温など、他の要因が絡んでいる可能性もあります。
そのため、「確実にそうだ」と言い切ることはできないにしろ、可能性のひとつとして、「思い起こし」がある可能性が考えられるわけですね。